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帝王切開の術中の痛み、術後の痛み

一人目は自然分娩での出産だったのですが、胎盤処理のトラブルで大量出血してしまいました。

よって二人目以降は自然分娩は難しいということになり、次女と三女は予定帝王切開で出産しています。

自然分娩、帝王切開、それぞれに痛みは伴いますが、両方を経験した人間として言えることは、一概にどっちの方が楽か、なんていうことは語れないなということです。

帝王切開の流れ

予定帝王切開は手術なので、前日の夕食を最後に絶食となります。

私の場合、水は午前三時までは取っても良いけど、それ以降は禁止と言われ、最後の水分補給の時は何とも言えない切なさがこみ上げてきました。

空腹って、想像以上に辛いものです。

次女の時は手術の予定時間が正午でした。

前日の夜から食事を取らずに手術に挑み、術後はもちろん点滴での栄養補給しか出来ません。

術後最初の食事はおもゆからですが、おもゆでも食べられるだけで「幸せだな~」って思いました。

一方、三女の時は朝九時からのスケジュールだったのですが、緊急カイザーが入ったということで、これまた正午にずれ込みました。

朝一の手術と聞いてドキドキしていたので、「ああ~救われた」と思っていたのですが、空腹状態は次女の時同様長引きました(笑)。

さて、本題に戻りましょう。

手術の時間が近づくと、助産師さんが浣腸をしにやってきます。

「出したい気持ちになるけど、頑張って堪えてください」

とは言われましたが、注入して間もなく例えようもない強い便意を催し、トイレに直行しました。

助産師さんは困惑ぎみでしたが、注入された側から言わせてもらえば、

「無理を言いなさるな…」

って感じです。

お次は剃毛です。

電気シェーバーで上のほうをチョチョイっと刈られます。

助産師さんたちの手際が良すぎて、羞恥心を覚えている暇なんてありませんでした。

その後血栓症予防のための弾性ストッキングを履き、点滴をぶら下げたまま手術室へと向かいます。

ここで家族とはしばしのお別れ。

「頑張ってね!」

と声を掛けられても、意識のあるまま腹を切られるのだと思うと、引きつった笑みしか返せません。

(弱い母ですわ…)

すでに病室で下着類ははずしていたので、手術室に入る前の小部屋では寝間着を脱げばあっという間にすっぽんぽんです。

でもご安心を。

ストレッチャーの上ではちゃんとバスタオルをかけてもらえます。

そして助産師さん達にストレッチャーごと運ばれ、手術室へGo!

手術台へと移ると、ここからはもうあっという間に色々な処置や装備が始まります。

点滴をしている方とは反対の腕に血圧計が巻き付けられ、点滴側の指先には酸素濃度を知るためのクリップのようなものが付けられます。

胸には心電図をモニターするためのシールを貼られ、口には酸素マスク

これら全てが終わると、いよいよドクターによる麻酔注射のお時間です。

帝王切開は主に局所麻酔(下半身のみの麻酔)で行われます。

手術台で横向きの格好になり、膝を抱えるような形で背中を丸めます。

ヨード系の茶色い消毒薬で背中を消毒し、腰椎に麻酔薬を注射します。

脊髄のくも膜下腔という場所に注入するらしいのですが、副作用として頭痛が起きる人もいるようです。

私も三女の時に軽い頭痛を経験しました。

麻酔の後は尿カテーテルを挿入され、前準備はこれで完了。

いよいよ赤ちゃんを取り出すためにお腹にメスが当てられますよ。

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術中の痛みとは

お腹の上に布の付いた箱のようなものが乗せられ、その向こうからドクターの声が聞こえます。

「これ、痛いですか?」

お腹の皮膚をピンセットのようなものでつまんでいるようでした。

次女の時は痛みは感じなかったのですが、つままれている感覚があって、それを痛みと勘違いした私は、

「痛いような痛くないような…」

と曖昧な返事をしました。

半パニック状態だったので、ドクターの問いにまともに返せず、何度も

「え?」

と訊き返されたのを覚えています。

私がそういう状態だったので、ドクターは

「痛いときは遠慮なく言ってくださいね。痛みを和らげる薬を入れますから」

と、おそらく決まり文句であろうセリフを言ってメスを握りました。

お腹を裂かれている感覚はありませんでした。

耳元で数人の助産師さん達が実況中継をしてくれます。

「今赤ちゃん見えてきましたよ」

「はい、赤ちゃん出てきますよ」

「もうちょっとだから頑張ってくださいね。頭出ますよ~」

赤ちゃんを取り出すときは結構力を入れるものなのでしょうか。

身体が何度も引っ張られ、グラグラしていた感覚があります。

そして襲ってきたあの痛み。

赤ちゃんの大きさでせり上がっていた胃が、赤ちゃんを引っ張り出している時に押されでもしたのか、胃痛の強烈な奴が襲ってきました。

お医者さん、間違って胃にメス入れてるんじゃなくて?

と思うくらいの激痛に、自分は死ぬんだ…と思った私は、息も絶え絶えに声を出しました。

痛い、痛い、胃が痛い…

助産師さんが耳を近付けなければ聞こえないほどの小さな叫びでした。

「え…。胃?」

といわんばかりのわずかばかりの沈黙の後、ドクターは言いました。

「痛みがなくなるお薬入れますね。ちょっと眠くなります」

その言葉通り、フワッと意識が遠のき、私は眠りに落ちました。

トロリとした浅い眠りだったように感じます。

肩を叩かれ、ふと気が付くと、助産師さんたちの声が聞こえてきました。

「赤ちゃん産まれましたよ。お疲れ様でした」

わあ~生まれた!生まれたんだ!

早速へその緒を切り離され、助産師さんに綺麗にしてもらっている次女の小さな身体。

可愛いなあ…。

と淡い感動に包まれていた私に、助産師さんの一言。

「胎盤ご覧になります?」

「いや、いいです!」

速効で断りました。

どうしようもないくらい臆病なんです(汗)。

今になれば、見とけば良かったかな~とちょっと後悔しています。

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術後の痛み

赤ちゃん自体はあっという間に出てきます。

五分もかかっていなかったんじゃないかなと思います。

けれど、手術自体はおよそ一時間かかりました。

赤ちゃんが出てきた後の胎盤処理や、羊水処理、腹部の縫合に時間がかかるんですね。

長女の出産の時は死にかけて夫に辛い思いをさせてしまったので、次女の時は笑って再会したいと思っていました。

しかし、あの胃が裏返って口から飛び出てきそうな激痛のせいで体力が消耗していた私は、生きているのか死んでいるのか分からない蝋人形のような状態だったようです。

リカバリー室に移ってから、

「ネエネの時のことを思い出した」

ボソッと夫が言いました。

「あのときと全く同じ顔していたよ」

どうやら、先の出産の時の私の死に瀕した顔は夫のトラウマになっていたようです。

麻酔が切れてきてお腹が痛み始めていましたが、私は一生懸命平静を装って赤ちゃんが誰に似ているか、とか胎盤見るか?と聞かれたことなどを喋りまくりました。

ともあれ、私の初めての帝王切開は無事に終わりました。

あとは切られたお腹の痛み、それから経産婦は強めに出てくるという後陣痛に耐え抜けば、ちょっとはゆとりをもって赤ちゃんのお世話が出来るようになります。

しかし、この術後の痛みというものが侮れないんですよね。

とにかく痛い。

逃げ出したいくらい痛い。

長女の時に、子宮を整復するために腹壁を切開しているのですが、この時はあまり痛み止めを出してもらえず、ただただ悶え苦しんだという経験があります。

またあれか。

またあれが来るのか…。

と気分は沈んでゆく一方でしたが、次女、三女の時の産院は「痛みは我慢する必要ない」という方針を持っているところだったので、痛みが酷くなってきたときは遠慮なく鎮痛注射や座薬を入れてもらいました。

おかげで、痛みは常にありましたが、細切れでも眠ることが出来、身体の回復には良かったような気がします。

ただこの時の痛みが切開の痛みなのか後陣痛の痛みなのか、その区別があまり分からず、助産師さんに色々尋ねられてもただ「痛い」としか答えられませんでした。

何度帝王切開をやっても、やはり痛みのベテランにはなれませんね。

 

 

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