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子供に手をあげてしまったときに考えるべきこと

パンドラの箱

イライラがつのって感情を抑えることが出来ず、思わず子供に手を上げてしまった、という苦い経験が私にはあります。

あれは長女がまだ4歳になりたての頃のこと。

次女がお腹に宿ったことが分かって、私たち夫婦は天にも舞い上がる心地でした。

しかしその後間もなく私は大量の不正出血

慌てて病院に駆け込んだら切迫流産との診断を受け、自宅安静を言い渡されました。

赤ちゃんが助からなかったらどうしよう。せっかく来てくれた命なのに…。

不安で押しつぶされそうな日々が続きました。

家事も必要最小限にし、安静を心がけてかなり慎重に生活していました。

けれど最初の大量出血から一週間後、さらに酷い出血が起きてしまいました。

めまいが激しく、とても自分一人で病院に行けるような状態ではありませんでした。

夫の職場に連絡を入れ、途中で帰ってきてもらいました。

すぐに夫の運転で病院に向かい、急患で診てもらった結果…。

「入院してください」

ドクターは有無を言わさぬ強さでそう言ったのでした。

娘を保育園の一時保育に通わせる

月夜

私が入院となったら、日中娘を見ている保育者がいなくなってしまいます。

夫も仕事を休むわけにはいかないし、親も遠方にいて頼ることが出来ません。

仕方なく、娘を保育園の一時保育に通わせることにしました。

普段あたりまえにいる母親がいない、というだけでも相当のショックだったと思いますが、娘は泣き言1つ言わずに保育園通いを始めてくれました。

しかし、夫の仕事の関係上朝は早く、帰りは一番遅いお迎えです。

次第に娘の顔から笑顔が消えていきました。

10日間の入院を経て、私は何とか自宅療養に切り替えることが出来ました。

しかし安静第一。

ちょっとでも無理をしたらまた出血の恐れがあるので、娘は引き続き一時保育で預かってもらうことに。

朝晩の送り迎えは私がすることになりました。

ママがおうちにいるんだから、もう保育園には行きたくない、というようなことを言うんじゃないかな、と思っていたのですが、不思議と娘はそういう感じの言葉は一言ももらしませんでした。

しかし、顔は硬直し、笑顔はありません。

あとから話を聞いてみたら、年上の女の子に意地悪をされているのだということが分かりました。

先生にそれとなくお話をしてみたところすぐに対処してくれたらしく、

「今日は○○ちゃんが一緒に遊んでくれた」

娘は嬉しそうに話してくれました。

これで一安心かな、と思っていたのですが、しばらく経つと再び表情に陰りが…。

そしてある朝、「お着替えママやって!」と珍しくぐずり出したのです。

感情をコントロールすることの難しさ

闇夜の森

「ちゃんと自分でやって」

朝食の後片付けをしていたのでそう軽くあしらいました。

しかし娘は一歩も譲らず、

「ママが服着させてよ」の一点張り。

それでも私が取り合わずにいると、ギャーと泣き叫びながら飛びついてきました。

「やってやって!お着替えママやって!」

私はお腹をガードしながら、娘を押し退けました。

「そんなふうに叩いたりしたらお腹の赤ちゃんいなくなっちゃうよ!」

しかし娘は諦めずに私に飛びかかってきて、お腹付近にしがみついて地団駄。

体が大きく力も強いので、結構な衝撃なんですよね…。

あまりのしつこさに、私は涙が溢れてきました。

この衝撃のせいでまた出血してしまったらどうしよう。

お腹の赤ちゃんがいなくなってしまったらどうしよう!!

「やめな!!」

気が付くと私は娘を押し倒し、感情的な言葉を沢山吐き出していました。

それでも娘は私にしがみついてきます。

それを再び押し退け、倒れたところを足で押しやり…。

「もうさわんないで!!」

顔中涙と鼻水でグチャグチャにしながら、私は怒鳴っていました。

娘は私のあまりの剣幕にハッと我に返ったように、

「ごめんなさい、ママ。もう自分でちゃんとお洋服着るから!泣かないで!怒んないで!!」

私が準備しておいた服を、静かに着始めたのでした。

私はすぐに冷静さを取り戻しました。

私いったい何してるんだろう。なんでこんな酷いことを娘にしてしまったんだろう…。

激しい自己嫌悪が襲ってきました。

結婚後2年目にしてやっと授かった命、四年間いつも寄り添うように生きてきた大切な命のはずなのに…。

娘に手を上げたのは初めての経験でした。

しかしそれ以上にショックだったのは、自分の感情を自分でコントロール出来なかったということ。

娘が私の剣幕に驚いて折れなかったら、いったいどんな収束の仕方をしていたのだろう。

恐ろしくてそれ以上想像を巡らせることは出来ませんでした。

娘に「ごめんね」の一言も言えないくらい、私はショック状態にありました。

体中にぶ厚い膜が張ってしまったように、身動きすることも思考することもおぼつかず、ほとんど会話をすることなく娘を保育園に送っていきました。

その帰り、私は運転をしながら堰を切ったように泣き叫びました。

家に戻っても涙は止まらず、その日一日、ずっと自己嫌悪と娘に申し訳ないという気持ちと、孤独感を抱えたまま過ごしました。

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娘の笑顔に助けられる

朝焼け

救いようのないくらい心はズタボロに傷付いていましたが、同じように子供を叩いてしまったり手を上げてしまった、という内容のブログや書き込みを読んだことで、だいぶ気持ちが楽になっていました。

悩んだり自己嫌悪に押しつぶされそうになっているのは私だけじゃないんだな…と。

夕方になり園に迎えに行くと、不安そうに固まっていた娘の顔がぱっと明るくなりました。

そして朝の出来事などなかったかのように、いつものようにペラペラとお喋りを始めました。

相変わらず○○ちゃんは仲間はずれにする。

先生がスカート可愛いねって言ってくれた。

でも○○ちゃんが小さい声で全然可愛くないって言ってきた。

…娘の頭の中は意地悪な年上の女の子のことでいっぱいのようでした。

ちょっと拍子抜けしてしまいましたが、普段と変わらぬ娘の様子に救われる思いがしました。

娘が朝の出来事に傷付いているのかいないのか、確かめたい気持ちはあったのですが、もし忘れていたとしたら思い出させるのは酷だよな…と思い、そのことには触れませんでした。

「ごめんね」と一言謝りたい。

本当はその思いが強かったんです。

でも、それで心が軽くなるのって娘じゃなくて自分自身なんですよね。

自分が楽になるために娘に嫌な出来事を思い出させるくらいなら、この苦しみをしっかりと心に刻みつけておこう。

そう決心し、対人関係で疲弊している娘の心をいたわることに専念しました。

まずやったことは、夫と話し合うこと。

じっくり話し合った結果、一時保育をやめることにしました。

親子の絆を深める読み聞かせの力

古本

今までのように頻繁に外出は出来なくなりましたが、私と一緒にいられることが嬉しいらしく、娘はいつもの元気さを取り戻していました。

これからはもう、絶対娘に手を上げたりはしない。

娘が私との時間を幸福と思えるようにしていかなくちゃ!

私はそう心に誓っていました。

さあ、そうなるとすぐに出来ることってなんだろう。

ことある事に抱きしめる。

体調不良でも笑顔でいる。

一緒におままごとで遊ぶ。

どれも大切なことですよね。

でも、更に私が力を入れたのは、絵本の読み聞かせです。

毎日お昼寝の前に、必ず絵本を3冊読み聞かせていました。

同じ時間を共有していることで得られる連帯感や、体を寄せ合ってお話の世界に没頭することによる精神の安定、さらには信頼している母親の声を聞くことで得られるリラックス感。

読み聞かせは子供にも母親にも良い影響をもたらします。

毎日読み聞かせをしていた甲斐(?)もあってか、長女は読書が大好きで、想像力も豊かになりました。

ボーッとしているときは、たいてい「想像ごっこ」で遊んでいるんだそうです^^;

小学生の現在、もう読み聞かせは卒業してしまいましたが、本に囲まれた娘を見ていると、ふとあの頃のことを思い出します。

いつも二人でいたな…。

いつも図書館行ってたな…。

同じ本何回も読まされたっけ(笑)…。

今となっては全部古い思い出になってしまいました。

当時の辛い経験をなぜここで暴露したのかというと、苦しみの中でもがいていた私を救ってくれたのが、先輩ママたちのブログや書き込みだったからです。

私の経験が、今この瞬間、子供に手を上げてしまったことで激しい自己嫌悪に苦しみ、消えてなくなりたいとまで思いつめてしまっているママたちの救いになるのであれば、私自身も救われるような気がします。

これだけは知っていてください。

子供を叩いたことで苦しんでいるのは、あなたが本当の母親だからです。あなたが本当に子供を愛しているからです。ママがクヨクヨといつまでも辛い気持ちを引きずっていると、その感情は子供にも伝染してしまいます。子供はママが笑っているだけで安心します。どうしても辛い気持ちから抜け出せないのであれば、取りあえず子供を抱き寄せ、優しい声で絵本の読み聞かせをしてみてください。その時だけはお話の世界に没頭してください。あなたの声が子供を包み込み、自分は愛されているのだということを子供は実感するでしょう。

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最後に

多肉植物

おすすめ絵本を過去記事でも紹介しているのですが、3歳くらいまではストーリー性のあるものよりも、食べ物がおいしそうに描かれているものや、文章にリズムがあるものが受けがいいですよ。

たとえばこんなやつ↓↓↓

この絵本は刺繍でパンケーキを描いています。パンケーキの生地作りからフルーツが盛られていくまでの過程が、子供だけでなく大人でも十分に楽しめます。

おいしそうなものを見ると誰でもわくわくするし、幸せな気分になれますよね。

心の癒やしには、キレイな配色やおいしそうなフォルムってのはかなり重要な要素だと思うんです。

絵本を読み終えるまでのちょっとの時間だとしても、幸福を共有出来るというのはとても素敵なことだと思います。

私が長女と一緒に読んだ思い出深い絵本や、次女三女のお気に入り絵本も過去記事で紹介しているので、興味のある方は覗いてみてくださいね!
↓↓↓

現在の長女はちょっとナルシストでお嬢様タイプで、お喋り大好き、へんてこ踊りも大好き、走り回るのも大好き、ギャグアニメ大好きのユニークな女の子に成長しました。

8歳にして堂々と「赤ちゃん宣言」をし、

「○○ちゃん、まだ1歳だから何にも出来ない!!」

とえらそうに言い放ち、いまだに赤ちゃんのように後追いをして、私の入っているトイレまで付いてきます。

妹が二人も出来て、甘える順番も一番最後。

そういう長女の気持ちも分かるので、甘えたがっているときは思いっきり甘えさせるようにしています。

いまだにギューッと抱きしめていますよ(^^)

 

 

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