今年の夏の暑さは、今までにないくらい過酷でしたね。
いつもなら夏でも水分は常温で飲むようにしているのですが、今年は我慢できずに氷を何粒も入れてしまいました(;´∀`)
エアコンもフル稼働。
夕食も生野菜サラダ率高かったなぁ。
こんな感じの生活を続けていたためか、午前中は疲労感が半端なく、ほとんど体が使い物になりませんでした。
時間はいたずらに過ぎていき、焦る気持ちばかりが空回り。
そんなときに見つけたのがこちらの本。
「大阪市大疲労医学特任教授 東京疲労・睡眠クリニック院長」という長い肩書きを持っておられる、梶本修身氏著の『なぜあなたの疲れはとれないのか?』です。
これは疲れが限界値まで行って、「このままじゃ死んでしまう~~!!」状態になったときに、図書館で見つけたもの。
目からうろこの内容ばかりでとても興味深かったです(^^)
目次
常識だと思っていたことは間違った疲労回復法だった
最初のページから、ドキッとさせられることが書いてあります。
目次部分を要約すると、こんな感じ。
【みなさんは、疲労対策でこんなことをしていませんか…?】↓↓↓
- 疲れにくい体をつくるために、エスカレーターは極力使わず階段を上るようにしている
- 疲れがたまったときは、栄養ドリンクやエナジードリンクを飲むようにしている
- 疲れをためないためには、夏場のエアコンは28℃に設定したほうがいい
- 一晩中冷房を付けていると体が冷えて疲れてしまうから、タイマーにしている
- シャワーでは疲れは取れないから、熱い湯船に浸かるようにしている
チョーム
不安になりがらも読み進めていくと、驚きの事実が書いてありました。
上記の疲労対策、全部間違いだそうです。
エレベーターより階段のほうが筋肉も付いて、疲れない体になるんじゃないの?
疲れたときに栄養ドリンクを飲むと、なんとなくシャキッとするじゃない?
夏場のエアコンは28℃ってテレビでも言ってるし。
一晩中エアコン付けていたら、体が冷えて余計疲れるよ。
お母さんも言ってるよ!ちゃんと湯船に浸かりなさいって!!
…と、私の心の声が言っていたのは、まだ読む前の話。
読み終えたあとは、
チョーム
と納得している自分がいました!
疲れをためたくないのならエスカレーターを使うべし
普通に考えて、エスカレーターよりも階段を上るほうが疲れるのは当たり前。
けれど、階段を使ったほうが筋肉が鍛えられて健康維持が出来そうだから、という理由で、私も含めだいたいの人は(きまぐれに)階段を上るのだと思います。
筋肉量が落ちると、体がだるくて仕方がありませんからね。
それなのに、「階段じゃなくてエスカレーターを使いなよ」と言うのはなにゆえ?
梶本氏いわく、
適度な運動は疲れにくい体をつくります。ですが、この「適度」というのが曲者で、多くの人がここを勘違いしています。
私が医者として考える「理想的な運動」は、日常生活の中でしっかり歩くことやウォーキング程度です。ジョギングなどの本格的な運動まですることは推奨しておらず、むしろ積極的に「やめてください」とお願いしています。
激しい運動やデスクワークは活性酸素を大量に発生させ、その結果、酸化ストレスにによって細胞がさび付いてしまいます。
酸化ストレスは疲労の原因にもなります。
「適度」な運動とは、日課だからといって継続することを課すようなものではなく、疲れがたまっているときは休む、体調が優れないときは休む、というように、自分の体調と向き合って決めるべきものなのだそう。
階段を上るのも、適度にならいいけれど、疲労を無視してまでやるべきものではないよ、ということですね。
栄養ドリンクやエナジードリンクは脳をだましているだけ
栄養ドリンクに必ずと言っていいほど配合されているタウリン。
購入するときは、タウリンの配合量で決めているという人も多いことでしょう。
チョーム
私もタウリン配合量にはついつい目が行ってしまいます。
しかし…!!
タウリンが疲労対策に効果があるという科学的な論文もなければ、同様の薬効が示されたこともなく、厚労省も認めていないのが現状です。
(省略)
製薬会社は「肉体疲労・病中病後の栄養補給」と説明していますが、一言も疲労を回復させるとは言っていません。これは疲労対策の効能とは別物です。
タウリンに薬効は期待出来ないそうです(T_T)
それなら、飲んだ後にやけに頭がスッキリするのは、なんの力なの?という疑問が湧いてきますね。
どうやらカフェインの影響のようです。
チョーム
いえいえ、これもちょっと違うみたいです。
「疲労」と「疲労感」は似て非なるものです。……実際に疲労が起こるのは脳の自律神経の中枢です。これに対して、人が実際に疲労感を感じるのは、それとは別の眼窩前頭野という部位なのです。
カフェインが解消してくれているのは「疲労感」であり、肝心の自律神経の疲れは取れていないので、結果的に疲れが取れていると勘違いして頑張りすぎてしまい、最悪過労死ということになってしまうらしいです。
ただ脳をだましているだけなんですね(-_-;)
エナジードリンクも同様。
子供には百害あって一利なしなので、飲ませるのはNGです。
夏場の設定温度28℃は疲れる
クールビズは、室温を28℃に設定し、軽装で過ごすことを推進しています。
テレビなどのメディアでも多く取り上げられているので、28℃という温度設定は広く知れ渡り、職場や家庭でも実践している人が多いことでしょう。
我が家でも暑がりの夫がいない日中は、普段の25℃から28℃に上げて生活していました。
クールビズの目的は電力消費量を減らすことなのですが、28℃こそ適温、それ以下にしてしまうと足腰が冷えてストレスだし、健康にも良くない!と考えている人も多いかと思います。
体が冷えやすい女性なんかは特に。
しかし、28℃とそれ以下の温度で、疲れやすいのはどちらなのか?という観点から見ると、28℃設定の方が疲れるのだそうです。
その理由は、
28℃という温度が人間の体感に合っていなかったからです。
体感に合っていないどころか、
気温28度は熱中症の危険を高める警戒温度だということです。環境省自身、「熱中症予防情報サイト」を作り、国民に熱中症の予防を呼びかけているのに、一方で、「クールビズ」と称して室温28度を推奨するのは矛盾ではないでしょうか。
と梶本氏は書いています。
熱中症の警戒温度ということは、当然作業効率も落ち、仕事がスムーズに片付かない分残業が増える。残業が増えればクールビズで電力消費を抑えましょうという本来の目的とはかけ離れて、エネルギー消費量が増えてしまう。さらに職場の人間は長時間労働で疲労がたまり、さらに熱中症の危険も出てくるという現実。
実際、エコロジーの観点から見ても最適なのは25度です。従業員のパフォーマンスを高めるような環境を作って仕事時間を減らしたほうがエコロジーにつながるのに、わざわざ仕事をしにくい環境にして残業を増やすのは馬鹿げています。
クールビズの矛盾点、こういう本を読まないと一生気付くこともなく、律儀に28℃を守って生活していたかもしれません。
確かに、筋金入りの冷え症である私でも、28℃は暑い!
25~26℃設定にして、足腰が冷えてきたら膝掛けを使う、というのがベストでしょうかね。
エアコンのタイマー設定は自律神経によくない
夏の夜、タイマーを2時間設定にしていた身としては、ドキッとする内容です。
就寝中に室温が変わるのは、自律神経に負担がかかるので良くないらしいです。
熱中症の原因も自律神経の失調だと言いますし、これはスルーできませんね。
日中も汗をかいて自律神経はフル稼働しているのに、寝ているときまで汗をかいたら自律神経の中枢は休む暇がなくなります。‒‒‒これは夜間、仕事をしたり、運動したりしているのと同じ状態です。こんな寝方をしていたら夏バテするのも当然です。
思い返せば、タイマーが切れてしばらくすると寝苦しくなって、目を覚ましてしまっていました。
結局起き上がって、もう一度エアコンのスイッチを入れるということを毎晩繰り返していたような…。
これでは安眠なんて出来たもんじゃありませんね。
翌朝の耐えがたい疲労感は、自律神経の乱れが原因だったということなのでしょう。
来年の夏は適温で良質な睡眠を取れるように、タイマーは使わないようにします。
結局寝苦しくて、エアコンを付けているんだから、目を覚ましてスイッチを入れるというストレスフルな動作が一つ減る分、健康的になれるはず(^^)
疲れているときはお風呂に入らない
チョーム
梶本氏は、血行を良くするという意味では、入浴することは良いことだと言っています。
ただ40℃以上の熱めのお湯に肩までつかるのは、かえって疲労をためてしまうことになるので、おすすめできないとのこと。
熱いお風呂に入って「疲れが取れた」「よく眠れた」というのは、実は自律神経に負担がかかっていて、余計疲れてしまった結果なのだそうです。
だから、疲れが取れたのではなく、疲れが上乗せされただけなのですね。
ぬるいお風呂で半身浴しても、体温の上げ下げをして調節するので自律神経が疲れるのは同じです。疲れ方が熱いお風呂や全身浴に比べて少ないというだけです。ですから、本当はシャワーを浴びて寝るだけで十分なのです。
なんともショッキングなお話です。
疲れたときは軽くシャワーを浴びるだけにします(^^;)
疲労と老化を防ぐイミダペプチド
活性酸素の影響で細胞がさび付いてしまうと、疲労だけでなく、老化も早めてしまいます。
梶本氏が行った疲労定量化プロジェクトでは、自律神経中枢の疲労と、眼窩前頭野で感じる疲労感両方に効果がある物質が発見されたそうです。
- クエン酸
- コエンザイムQ10
- リンゴポリフェノール
- イミダペプチド
この中でもダントツの疲労軽減効果があったのが、イミダペプチド。
イミダペプチドとはトリのむね肉に豊富に含まれている成分で、イミダゾールジペプチドとも言います。
渡り鳥が、長い距離をほとんど休むことなく飛び続けられるのはなぜなのか?という疑問から研究が進んでいったそうです。
このイミダペプチドには抗酸化力があり、体が活性酸素によってさび付くのを防いでくれるため、渡り鳥は疲れることなく飛び続けることが出来るのだとか。
そして、人間にもこのイミダペプチドは有効らしいです。
長引く疲労で午前中はまったく体が動かない、ベッドから毎朝ゾンビのようにやっとのことで這い出している、疲れのせいでやらなくてはいけないことが何一つまともに出来ていない、という場合は、イミダペプチド、試してみる価値があるかもしれません。
手軽にイミダペプチドを摂取出来るサラダチキン
スーパーに行くと、鶏むね肉のサラダチキンがお手頃価格で販売されているので、いつも2、3個購入してストックしています。
色々な味のものが出ているので、選ぶのも楽しいですよね。
野菜サラダにちぎって入れるのも美味しいし、スープに入れるのもダシが効いていて最高。
手軽で美味しいサラダチキンで、抗酸化力のあるイミダペプチドを摂取出来るのなら、買わない手はないと思います。
イミダペプチドは一日200mg摂取が推奨ですが、鶏むね肉なら100gほどで良いそうなので、これもまた手軽。
鶏肉も、もも肉ばかり選んでいましたが、これからはむね肉を選ぶようにしようと思います(^^)
さいごに
『なぜあなたの疲れはとれなのか?』‒‒‒それは疲労回復の誤った情報を信じきっていたから、ということが分かりました。
今回取り上げたこと以外でも興味深いことが沢山書かれています。
一つ一つの話が分かりやすくコンパクトで、最後にはポイントもまとめられているので、スラスラ読み進めることが出来ました。
この夏の尋常ではない疲労の原因も分かってスッキリ(^^)
応援よろしくお願いします!!
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